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アイドルという夢よりも、綺麗な音を響かせ世界を魅了するよりも。 大切なものができてしまった。 「きっと、初恋でした」 水本ゆかりは【恋をした】。 相手は、自分を輝きの舞台へと引き上げてくれたプロデューサー。 屈託なく笑う彼の笑顔が、好きだった。 「どうしようもなく、私は彼のことが好きだったんです」 彼はゆかりにたくさんの幸せをくれた。 幼少から音楽に携わっていたが、彼のお陰で新たな世界を見出すことが出来た。 光り輝く舞台の上で、人達に笑顔を届ける。 数年前の自分では想像もできない楽しいこともあったし、可愛い衣装をたくさん着ることもできた。 それも全て、彼がいてくれたから。 彼が自分の手を引いて一緒に歩いてくれたから。 「傍にいてくれるだけでよかった。 アイドルとしてだけではなく、【水本ゆかり】を見てくれたあの人に私は心を奪われていたんです」 季節が変わっても、彼との関係は変わらなかった。 アイドルとプロデューサー。それ以上でもそれ以下でもない。 ゆかり自身、ここから先に進みたいという気持ちもあったが、自制した。 彼はプロデューサー、責任の重い立場だ。 自分が恋慕し、彼を困らせることはあってはならない。 だから、何も言わずにいた。胸に秘めた想いに封をして、そのままを維持しようと決めた。 「ずっと、ずっとずっと一緒にいたかった。この先もあの人は私の手を引いてくれると思っていた」 時間が止まってしまえばいいのに。 この一時が永遠になればいいのにとすら感じた。 あの【事故】さえなければ、幸福な刹那が今もしれない。 「プロデューサーさんが守ってくれなければ、私は今もこうして生きていなかった」 ありふれた話だ。 いつもはタクシーなどを利用して仕事から帰るが、たまには二人で歩いて帰ろうとゆかりが提案したのが間違いだった。 彼もゆかりも、最近面白かった出来事、何処其処の喫茶店のケーキが美味しいといった世間話に花を咲かせていた。 そして、【たまたま】飲酒運転の車が突っ込んで来て――。 「私の過ちをやり直したい」 宙を舞う彼の身体。 飛び散った血飛沫とひしゃげた足。 弱々しく震わせ、徐々に動かなくなっていく恐怖。 ――彼は、ゆかりを庇って車に跳ね飛ばされた。 血塗れの手を握り締め、何度も呼びかける。 けれども、彼は握り返してくれなかった。 「護ってくれると言ったあの人を、信頼に報いてくれたあの人を――今度は私が救う」 もう彼を救うには奇跡に縋るしかない。 「だから、力を貸して下さい。アサシン」 ゆかりの視線の先にいるのは、皺くちゃな顔をした老人だった。 何処にでもいる普通の人間に見える彼だが、サーヴァントとして呼ばれたからには当然常人ではない。 「……一つだけ、問いたいことがある」 アサシン――シルベストリ。 彼はそもそも人間ではなかった。 自動人形と呼ばれる機械仕掛けの操り人形は、依然として態度を変えずにただ言葉を続ける。 「【アイドル】という職業は人を笑顔にするものだと記憶しているが、笑顔の成す意味とは何だ」 笑顔を研究し、人間を知りたがった彼は此度の戦で呼ばれたことに不満はない。 仕える主こそ違うが、剣を振るおう。 「ミズモトユカリと言ったな。私を満足させる答えを、君は持っているのか」 弱く浅ましい存在である人間は、どれだけ強くなれるのか。 そして、人々を笑顔にする偶像の職業に就いてる彼女はどれだけ【寄り添う】ことの大切さを感じているのか。 シルベストリは、それが知りたかった。 「笑顔は、大切な人と過ごす時に自然と浮かぶんです。 好きな人といる時なんかは、蕩けるような感じだったり、ですね」 眼前の彼女は、自分に対して怯えこそすれど退くことはしない。 自分が投げかけた問いかけにも頭を必死にこねくり回して答えようとしている。 「それぐらい、大切なんですよ」 少しはにかむように答えた彼女の横顔は、いつの日かみたスズランの少女のように見えて。 「…………そうか」 満足のいく解答とは言えなかったが、何故か脳裏に強く刻まれたのだ。 【クラス】 アサシン 【真名】 シルベストリ@からくりサーカス 【パラメーター】 筋力B 耐久D 敏捷B 魔力E 幸運C 宝具E 【属性】 秩序・悪 【クラススキル】 気配遮断:C サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 完全に気配を断てば発見する事は難しい。 【保有スキル】 単独行動:C マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。 ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。 戦闘続行:A+ 自動人形は身体を壊されようとも、最後まで戦い続ける。 シルベストリは答えを得るまでは止まれない。 心眼(真):B 自動人形でありながらも得ている戦闘論理。窮地において活路を導きだす。 また、視覚に頼らずとも空間の把握がある程度は可能となる。 【宝具】 『Empty Blade』 ランク E 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人 体内に内蔵された超絶技巧の剣技に耐え抜く剣の数々。 【weapon】 左手及び、身体に内蔵された剣。 【人物背景】 老人の姿をした自動人形。居合を得意とし、自動人形の中では伝説となる程の剣の使い手。 人間社会の中で「笑い」を研究し、考察している。 彼は常に答えを求めている。人間とは、笑顔とは、寄り添い生きる意味とは。 総ての答えを得た時、彼は心から【笑える】のかもしれない。 【サーヴァントの願い】 答えを得る。ゆかりを見届けることで、何かが理解できるかもしれない。 【マスター】 水本ゆかり@アイドルマスターシンデレラガールズ 【マスターとしての願い】 大切な人との日常をやり直す。 【能力・技能】 なし。強いて言えば、フルートが弾ける。 【人物背景】 彼女はアイドルとして輝きの向こう側へと踏み込んだが、あくまで【普通】の少女だ。 これはもしも、彼女が大切に想っているプロデューサーを無くしたらというIFである。 絆を取り戻す為ならば、彼女は前へ進むだろう。 例え、清純なる輝きが穢れても、ただ一人――大切な人の笑顔をもう一度見れるなら。 【方針】 やり直す、日常を。
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呉キリカ&アサシン ◆Vj6e1anjAc 「いやぁしかし、驚いたよ」 からからと笑い声を上げるのは、黒髪をショートヘアにした少女だ。 ネコ科の獣のような金眼には、恐怖や緊張の色はない。この状況下で平然としていられるのは、大した器だと言えるだろう。 「聖杯戦争なんてのもそうだし、まさか私のサーヴァントとやらが、君のような奴だったとはね」 「ああ、それは同感だ。おれだってお前のようなやつと、言葉が通じるようになるとは思わなかった」 何よりその光景を、異様なものとして印象づけるのは、彼女の傍らに立った存在だ。 驚くなかれ、ライオンである。 浅黒い体毛を全身に纏い、緑の瞳を怪しく光らす、雄のライオンがいたのである。 しかもそれが黒髪の少女と、人間の言葉を使いながら、平然と談笑しているのだ。 そんな光景が成立するのは、彼らが戦争のルールに定められた、主君と従者の間柄だからだ。 アサシンのサーヴァント・スカー――この1頭の獅子こそが、呉キリカという少女に与えられた手札だった。 「人間の言葉を話すライオンなんて、どんなサーカスでも見られないだろうねぇ。それも方舟とやらの力なのかな?」 「おれに聞いてくれるなよ、マスター殿。所詮は草原暮らしのけだものなんだ。人間様の文明のことなど、知る由もない」 「まぁいいか。大事なのは君が強いかどうかだ。そこのところはどうなんだい?」 「知恵比べなら自信はあるが、直接戦えと言われれば……まぁ、まず勝ち目はないだろうな。 神にも悪魔にも縁遠い身だ。ライオンの領分以上のことはできん」 「なーんだ、そうなの」 果たして知恵比べというものは、その「ライオンの領分」に当たることなのだろうか。 それだけは気になったものの、すぐに落胆の方が勝った。 一応キリカは魔法少女なのだから、自分で戦うこともできる。 しかしそれでも、サーヴァントとのタッグを組めた方が、より勝利は確実なものとなったはずだ。 それがかなわないとなれば、どうしてもがっかりしてしまう。 「おいおいそう落ち込むなよ、マスター。爪と牙が役に立たずとも、頭を使えば勝機はある。 他の参加者は大勢いるんだ。だったらそいつらを潰し合わせれば、おれが弱くとも問題はあるまい?」 「潰し合わせる? そんなことができるのかい?」 「ちょっと頭を使えばいい。人の心を操ることなど、コツさえ掴めば簡単なことだ」 本当にそんなことができるのだろうか。 自信げに語るアサシンの言葉に、キリカはすっかり聞き入っていた。 ライオンが人を操るなど、眉唾ものとしか思えなかったが、なるほど確かに、こいつは非常に口が上手い。 こうして耳を傾けていると、あるいはそんなことすらも、可能なのではとすら思えてくる。 「まぁそっちはおれに任せておけ。おれはマスターの忠実な下僕だ。 言うとおりにしていれば悪いようにはしない。必ず聖杯をプレゼントしてやるとも」 「そうだね……まぁ駄目で元々だ。君に任せてみることにするよ」 上手くいったらお立ち会い。駄目なら自分で戦うまで。 元より自分は考えるのが苦手だ。だったらここは無い知恵を絞るより、アサシンに賭けてみた方が気も楽だろう。 (待っててね、織莉子。必ず聖杯を持って帰るよ) そう心に決心を固め、キリカは行動を開始した。 実のところ、彼女には、聖杯を使うつもりはなかった。 願望器の力を必要としているのは、自分ではなく友人の方だ。 ここにはいない親愛なる友――世界の救済者・美国織莉子。 世界を滅亡から救わんとする彼女には、聖杯の願いを叶える力が、きっと助けになることだろう。 どうせ自分が使おうとしても、大金や山盛りのお菓子くらいしか、願いのレパートリーはないのだ。 だったら自分が使うより、相応しい使い手の元に持ち帰って、プレゼントした方が万倍いい。 忠実なる愛の下僕・キリカは、獣の従者を伴って、愛する者のために歩みを進めた。 ◆ (ふふん、せいぜい図に乗っているがいい) そしてそんな背中を見つめて、内心で笑う獣が1頭。 傷のある目元を妖艶に歪め、嘲笑するかのように見送るのは、アサシンのクラスを冠した獅子だ。 (今はお前に従ってやる。だが然るべき時が来たら……その時に笑うのはこのおれだ) アサシンはこのキリカという少女に、聖杯をくれてやるつもりなど毛頭なかった。 自分にも願望器にかける願いがあり、故に聖杯を使うべきは、マスターではなく自分だと考えていたのだ。 令呪とやらが自分を縛る限り、キリカを殺すことは許されない。 それに魔力の供給源を殺せば、自分は体を維持することもできず、立ちどころに消滅するだろう。 だからこそ、動くべきは最後の最後だ。 言葉巧みにキリカを騙し、奴が願いを言うよりも早く、自分の願いを聖杯に告げるのだ。 (そしておれは王として、再びプライド・ランドに返り咲く……そうとも、今度こそは上手くやるさ) 生前追い落とされた地位を、聖杯の力で取り戻す。 生意気な甥っ子を抹殺し、あのプライド・ロックの頂に、もう一度自分が上り詰める。 確かに振り返ってみれば、生前の統治は失敗だった。 甥のシンバを殺し損ねたことも、ハイエナを野放しにしたこともそうだ。 特に後者はよくなかった。無軌道な馬鹿共の食欲は、たちまち大地を枯れ果てさせてしまった。 しかしもう一度やり直すからには、二度と愚行は犯さない。自分を殺した裏切り者など、まとめて処分してしまえばい。 (まぁ、確かにおれに力はない。それでもやりようはいくらでもある) そしてその願いを叶えるためには、まずこの聖杯戦争を勝ち抜くことだ。 確かにアサシンたるスカーは、英雄でも神でもないただのライオンである。 その上老いた身とあれば、直接戦闘で生き残ることは、到底不可能と言っていい。 だとしても、アサシンに不安はない。 そんな絶望的な状況だろうと、全く気後れしていない。 (要は余計な戦いなど、残らず捨ててしまえばいい。必要なのはただの一撃……マスターの喉を裂く爪の1本だ) アサシンのクラスの基本戦術は、その名の通りの暗殺である。 相手に気づかれることなく殺す――そのために特化したスキルを駆使し、サーヴァントとの戦闘を避け、直接マスターを抹殺する。 そしてそれを行うための準備は、もちろん彼にも備わっていた。 それが他者を利用するための話術であり、彼に授けられた宝具だ。 対獣宝具「偽・百獣の王(キング・オブ・プライド)」――NPCの獣を洗脳し、支配下に置くための宝具。 同時に最大50もの動物を、意のままに操ることを可能とする力だ。 さすがに戦力としてはあてにならないが、小回りが利く上、外から判別もつかない分、使いようはいくらでもある。 偵察によし、誘導によし。人間であるマスター相手なら、とどめの一撃に使うもよしだ。 (ハイエナを操れないというのは、少しばかり気に食わんがな) もっともこの宝具にも弱点はある。ハイエナを含むイヌ科の動物には、効力を発揮しないのだ。 しかしこの方舟にいるのは、何も犬に限っているわけではない。 他の動物が使えるのなら、その穴くらい埋めることは容易だ。 (ともあれ、王たる者はこのおれだ。他の奴らに聖杯は渡さん。 最後に聖杯の前に立つのは……はは、他の誰でもないこのおれなのだ) 高笑いを上げたくなる衝動を、必死に抑え込みながら。 野心を己が胸に隠して、アサシンはマスターに付き従う。 全ては真の王として、あの月に君臨するその時のため。 万能の願望器の前に立ち、その時にこそ笑うため、アサシンは今はただ静かに、策謀を張り巡らせていた。 【マスター】呉キリカ 【出典】魔法少女おりこ☆マギカ 【性別】女性 【参加方法】 『ゴフェルの木』による召喚。美国邸の庭園にたまたま木があった 【マスターとしての願い】 自分で聖杯を使うのではなく、織莉子にプレゼントしたい 【weapon】 ソウルジェム 魂を物質化した第三魔法の顕現。 千歳ゆまを始めとする魔法少女の本体。肉体から離れれば操作はできなくなるし、砕ければ死ぬ。 濁りがたまると魔法(魔術)が使えなくなり、濁りきると魔女になる。聖杯戦争内では魔女化するかどうかは不明。 【能力・技能】 魔法少女 ソウルジェムに込められた魔力を使い、戦う力。 武器は鉤爪で、劇中では主に3×2=6本の爪を展開して戦っていた。 固有魔法は速度低下。有機物・無機物問わず、あらゆるものに対して発動が可能で、対象の運動速度を低下させられる。 劇中では魔女結界にこの魔法をかけ、消滅を遅らせるなどしていた。 反面、攻撃に魔力を割きすぎると、この魔法の制御が難しくなり、視認できる範囲にしか効果を維持できなくなるという欠点がある。 必殺技は爪を投擲する「ステッピングファング」、膨大な爪を盾に連ねて叩きつける「ヴァンパイアファング」がある。 爪とキックを交互に繰り出す、アクロバティックな戦闘を得意としている。 【人物背景】 魔法少女・美国織莉子の友人にして、忠実な下僕。 世界を滅ぼす魔女の出現を防ぐため、その元となる魔法少女を殺すべく暗躍している。 キュゥべえの目を逸らすために、他の魔法少女を次々と殺害しており、高い戦闘センスを持っていると推測される。 明るく社交性の高い少女だが、全ての価値判断は、あくまで織莉子最優先。 織莉子に捧げる「愛」を神聖視しており、半端に口出ししようものなら、激昂し物凄い勢いでまくし立ててくる。 戦闘中にも狂っているかのような言動が多く、対戦した巴マミからは、「壊れている」と評されていた。 もっとも、何もない時には、冷静に戦況を分析したりもしており、全くの狂人というわけではない。 本来は過去のトラウマから、人間不信に陥っていたこともあり、他人と打ち解けられない内向的な性格だった。 しかし、偶然織莉子と出会った時に、彼女に惹かれる何かを感じ、彼女に声をかけられるようになるため契約。 「違う自分に変わりたい」という願いで、現在の性格へと変貌を遂げた。 この時「変わる前の自分」が持っていた願いを忘れてしまったのだが、この聖杯戦争に参加した時点では、何らかのきっかけにより思い出している。 本人はこの契約に対して、「織莉子を自分のウソに付き合わせた」と語っており、ある程度の負い目を感じていたものと思われる。 【方針】 優勝狙い。細かい作戦はアサシンに任せてみる 【クラス】アサシン 【真名】スカー 【出典】ライオン・キング 【性別】男性 【属性】混沌・悪 【パラメーター】 筋力:D 耐久:E 敏捷:D+ 魔力:E 幸運:E 宝具:C 【クラススキル】 気配遮断:B サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。 【保有スキル】 話術:B 言論にて人を動かせる才。 国政から詐略・口論まで幅広く有利な補正が与えられる。 弁論において、窮地にあっても挽回の可能性を手繰り寄せる。 心眼(偽):B 直感・第六感による危険回避。 視覚妨害による補正への耐性も併せ持つ。 カリスマ:E 軍団を指揮する天性の才能。統率力こそ上がるものの、兵の士気は極度に減少する。 【宝具】 『偽・百獣の王(キング・オブ・プライド)』 ランク:C 種別:対獣宝具 レンジ:1 最大補足:50匹 一時とはいえ、プライドランドの王として君臨した、その生き様が宝具と化したもの。世にも珍しい対獣宝具。 NPCの動物を、話術をもって洗脳し、自らの一部として操ることができる。 サーヴァントの一部であるため、他のサーヴァントを攻撃できるだけの神性も付与される。 ただしスカーの王としての器は、名君と呼べるほどのものではなく、その効力は半減している。 (然るべき王者が『百獣の王(キング・オブ・プライド)』を備えていた場合、操れる最大数は100匹となる) また、スカーはハイエナに恨まれながら死んでいったため、同じイヌ科の動物を操ることはできない。 【weapon】 なし 【人物背景】 サバンナに存在する動物達の王国「プライド・ランド」の王族で、ムファサ王の弟でもあった雄ライオン。 狡猾な野心家であり、王の地位を狙っていたのだが、ムファサに王子・シンバが生まれたことによって、王位継承のチャンスが遠のいてしまう。 これを快く思わなかったスカーは、蛮族であるハイエナ達と結託し、ムファサを暗殺。 シンバをも始末するよう仕向けたことにより、ムファサの王位を継承し、プライド・ランドを治める暴君となった。 しかしシンバは生きており、成長した姿でプライド・ランドへと舞い戻ってくる。 スカーは敗北しプライド・ランドを追いやられ、 最期には「ハイエナが全てを企んだのだ」と言い訳したのを聞かれていたことがきっかけとなり、そのハイエナ達によって殺されてしまった。 獣でありながら策を弄し、身内の殺害にまで及んだ、狡猾さと残忍性を併せ持つ反英霊。 その悪知恵と人心掌握術は獣の領域を超えており、他種族であるはずのハイエナの群れを、意のままに操ったと言われている。 反面、彼らを継続的に管理することは難しかったらしく、プライド・ランドを荒廃させており、王の資質はややマイナスに傾いている。 本人の戦闘能力は、ただのライオンであることもあり、ライオンなりのものしか持たない。 そもそも生前にムファサに対して、「爪と牙を使った戦いではムファサに勝てない」と語っており、 あまり力には恵まれていなかったものと考えられる。 【サーヴァントとしての願い】 プライド・ランドの王として再び返り咲く。そのためにキリカを利用する 【基本戦術、方針、運用法】 さすがに人間よりは強いが、本人の戦闘能力は底辺に近い。 そのためマスター自身や、宝具で操ったNPCを利用し、敵マスターを暗殺するのが基本方針となるだろう。 更には生前の手並みもあり、他のサーヴァントと同盟を組んで、ライバルを減らすよう仕向けるという選択肢もある。 アサシンでありながら自ら手を汚さず、手駒を使って相手を追い詰めるという、珍しい運用法を要求するサーヴァントである。
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二振りの剣が、幾度となく火花を散らし合っていた。 そうとだけ言えば剣豪同士の果たし合いであるが、その光景をいざ目にした者は、皆一様に怪訝な顔をするに違いない。 隻腕の端正な顔立ちをした男が、鎧にも似た装束を纏った奇妙奇怪な剣士と剣閃を交わし合っているのだ。 面、胴、小手、と時折鎧の底から聴こえてくるのはひょっとして剣道の掛け声であろうか。 実際には剣道家も裸足で逃げ出す速度と威力の乱舞が繰り出されているわけだが、それを向けられる男は驚いた素振りの一つとて見せることなく、一本だけの腕と細身の剣でそれを一発残さずいなしていた。 超人的な腕前と言う他ないだろう。 それは見る者のみならず、巨大な鎧の内で息を荒げる剣士も痛感していることだった。 (化物か、こいつは……) 考えてみれば当然のことだが、それでも改めてそんな月並みな感想を抱かずにはいられない。 断っておくが、猿投山渦に英霊という存在を見くびっていたつもりは誓って皆無だ。 かつて慢心から無様な敗北を喫した苦い記憶を省み、常に己の中の驕りを正視している彼にそんなことは有り得ない。 それでも、よもやこれほどまでとは思わなかった。 現の眼ならぬ心の眼を通じて繰り出す剣戟のすべてが、まるで予知されたように止められ、流される。 傷一つ付けられないどころか、その髪の毛の一本でももぎ取れたかどうかからして怪しい話だった。 挙動を予測して突きを放つ。 しかし相手はその更に上を読み、止めた。 止められてから猿投山は舌打ちをする。 今、自分は勝負を急いだ。 打った本人でさえ解る隙の大きさを、この英霊が見逃してくれるはずがない。 そしてその通り、乱舞の間隙を見つけた隻腕の剣士はそれを瞬く間に掻い潜り、猿投山へと肉薄を果たす。 「胴ォォ!!」 「悪いが、既に遅い」 とん。 息巻いて強烈な一撃を見舞わんと吼えた直後、猿投山の胸が軽く小突かれた。 彼はそれで動きを止める。 それから、ゆっくりとその猛る剣を下ろした。 光を絶ち、あらゆる感覚を己のものとした彼にはそれが何の音かが理解できてしまったからだ。 切っ先で胸を突かれた。もしも相手に殺す気があったなら、今ので間違いなく自分は死んでいる。 言い訳のしようもない、完膚なきまでの敗北だった。 ……勝てないだろうとは内心思っていたが、これほどの差か。 いざ実感させられると、なかなかどうして響くものがある。 「気は済んだか、マスター」 「……ああ。これだけコテンパンにされちゃあな」 極制服の武装を解除すると、猿投山渦は苦笑をもって自らのサーヴァントへ向き直った。 完膚なきまでの敗北を喫したにも関わらず、そこに挫折の色合いはない。 端から負けを覚悟していたから? ――違う。彼は敗色濃厚と理解はしていたが、それでも勝ちをもぎ取ろうと奮戦した。 その結果、絶対にどうしようも出来ない実力差を思い知らされて敗北した。 ならば、今すべきことは情けなく敗走の悔しさに膝を抱えることじゃない。 これを次に活かすことで、この剣をより鋭く、力強いものにすることだ。 今此処に、猿投山渦が身命を賭して従うと決めた女傑の姿はない。 命令は下らないし、あの勇ましき威光が射し込むこともない。 だがそれでも、心の中はいつだとて彼女の輝きに照らされている。 ならば、失望されないようにしなければならないだろう。只でさえ、自分は前科持ちなのだ。 「俺も賛成だ。今日び願いを叶えるなんて、ずいぶんと胡散臭い触れ込みがあったもんだぜ」 「賛成というのは――聖杯戦争の解体、という俺の目的にか?」 「そうだ、アサシン」 この剣士は、セイバーのクラスで現界した英霊ではない。 さらに言えば、剣士という呼称も彼を表現する上では的外れなものである。 彼のクラスはアサシン。暗殺者。夜陰に乗じて事を成す、この世の影に住まう者。 暗殺者ならぬ忍者。忍びの英霊、うちはサスケ。それが、このサーヴァントの真名であった。 「聖杯なんざで簡単に叶えられる願いに、一体どれほどの価値がある―― 皐月様ならきっとそう言うだろうからな。なら俺は、あの人の思う通りにするだけさ」 「皐月、とは……おまえの主か?」 「ああ。この猿投山渦が、生涯で唯一忠誠を誓ったお方だよ」 彼が今どんな眼をしているのかは、目を覆った帯のせいで窺えない。 だが、その眼はきっと晴れやかに澄み渡っているのだろうとアサシンは思った。 何故ならその青臭くも直向きな在りようは、彼がこれまで幾度となく見てきたものでもあったからだ。 形は違えど、似通ったものはある。 そう、きっとあの『ウスラトンカチ』も同じことを言うだろう。 猿投山渦と。 そして、皐月、なる人物と。 ――聖杯に託し、叶える願いに価値はない。この聖杯戦争には、必ず奇跡の輝きに比類するだけの闇がある。 調べ、明かさねばならないだろう。 聖杯を破壊するのは無論のこととして、この戦争を企てた黒幕と、その目的を。 隻腕の忍は一人、怜悧な眼光を研ぎ澄ます。 その眼には、三つの奇妙な勾玉模様が浮かび上がっていた。 【クラス】 アサシン 【真名】 うちはサスケ@NARUTO 【パラメーター】 筋力B 耐久C 敏捷A+ 魔力A 幸運D 宝具A+ 【属性】 秩序・中庸 【クラススキル】 気配遮断:A+ サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 【保有スキル】 忍術:A+ 火遁・雷遁の術を基本とし、様々な忍術を使用することが出来る。 アサシンは忍の道を極めた、一つの極致の体現者である。 単独行動:A マスター不在でも行動できる。 ただし宝具の使用などの膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。 破壊工作:B 戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落とす才能。 彼の場合はもっぱら忍術・トラップによる妨害が基本となる。 このスキルが高ければ高いほど、英雄としての霊格は低下していく。 千鳥:EX 対人魔剣/魔拳・千鳥。 腕や刃にチャクラを収束させ、雷遁の術の長所である切れ味を最大限活かして放つ彼の代名詞。 応用の幅は広く、投擲武器として射出する、槍や刀の姿を象る、全身から千鳥を放出するなど様々な芸当が可能。 また、一定の条件を整えた際には落雷を直接相手へ見舞う『麒麟』などの術が使用可能になる。 【宝具】 『写輪眼』 ランク:D+ 種別:対人宝具 うちは一族の血統にのみ現れるとされる特異体質、“血継限界”。 相手の行動を先読みしたり見切ることで相手の忍術・体術・幻術をコピーすることができる“洞察眼”、相手に幻を見せたり逆に精神属性の攻撃を無力化して跳ね返す“催眠眼”の能力と、さらに相手の異能を色彩で見抜く力を有している。これにより本来なら不可視の異能による攻撃を見抜くことも可能。 今回は同作のキャラが現れない限り、根本的に性質が違うためコピーできるものは体術や剣術のみとなる。 『万華鏡写輪眼』 ランク:A 種別:対人宝具 写輪眼の上位種。六芒星を模した紋様と中央に三枚刃の手裏剣の刻印がなされた特異な瞳。 視点のピントが合うと同時にその場所を焼き尽くす“天照”を発動可能になる。 あまりの灼熱に“炎すらも焼き喰らう”と作中で称されており、通常の方法では鎮火をすることもできない。 以上の性質を有するため、作中では“絶対に避けることはできない”“喰らったら終わり”とまで称された。しかしなんらかの予見ができたり、彼の視界から逃れるほどの速度で移動することができるのならば、回避することは可能。また、炎を自ら鎮火させたり、形を変えて盾や剣、己の技に宿したりすることのできる“炎遁・加具命”と呼ばれる瞳術も発動出来る。 『須佐能乎』 ランク:A+ 種別:対軍宝具 “万華鏡写輪眼”から派生する奥義。 強力な物理攻撃耐性、圧倒的な破壊力を持つ紫色・半透明の鎧武者を自身を媒介に召喚する瞳術。 そのステータスはサーヴァントすら大概の場合は凌駕し、圧倒的な力で押し潰す域に達している。 『輪廻写輪眼』 ランク:EX 種別:対人宝具 写輪眼が最終的に辿り着くとされる究極の瞳術――であるが、マスターの魔力回路量の問題などから発動不可能。 令呪三画を用いて自滅覚悟で使用を試みてもどうにもならない、それほどまでに膨大な魔力消費を必要とする宝具。 その代わりに、万一発動された場合起こる事象の程は余人の想像を凌駕して余りある。 【weapon】 長刀 【人物背景】 長い迷走と憎しみの末、救われた一人の忍。 【サーヴァントの願い】 聖杯の調査。及び聖杯戦争の解体 【マスター】 猿投山渦@キルラキル 【マスターとしての願い】 願いはない。皐月様に胸を張れるだけの戦いをする 【weapon】 三ツ星極制服『剣の装・改』 パワードスーツのような姿に変化する極制服で、これに加えて剣道の要領で繰り出す剣打を用いて戦う。 【能力・技能】 『心眼通』 彼は自ら光を絶つことで、超人的なほどに視覚以外のすべての感覚を常に研ぎ澄ましている。 【人物背景】 本能字学園生徒会四天王の一人で、役職は運動部統括委員長。 敗北を機に光を絶ち、『心眼通』を覚醒させることで弱点を克服した。 【方針】 聖杯戦争の解体
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【検索用 CANDY BOX 登録タグ C CeVIO Lata 前線 可不 曲 曲英】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:Lata(Twitter) 作曲:前線 編曲:前線 イラスト:Lata 唄:可不 曲紹介 おいで! 曲名:『CANDY BOX』(キャンディー ボックス) 前線氏のVOCALOIDオリジナル曲6作目。 Lata氏歌唱版も投稿されている。 歌詞 (YouTube動画概要欄より転載) Honey Bunny Sweetie… ねえ 魅惑の通り道 あけてあけて 帳が下りたら手招きを聴いて 扉を開いて あまいあまい お砂糖に溺れて 光を失う Honey Bunny Sweetie 甘く深く落ちましょう Honey Bunny Sweetie おいでおいでおいでおいで Honey Bunny Sweetie 甘く深く落ちましょう Honey Bunny Sweetie 満たされた満たされた 満ちてはいけないもの 絆された絆された 夢見ても帰れないわ 味わえば味わえば お菓子では満たないの 絆された絆された 私は次の次の次の… ねえ 甘美な箱庭 ちょうだいちょうだい 帳が下りたら手招きをするの 鍵を開けたまま 待つの待つの お砂糖に誘われ 獲物(おかし)を待ってる I want more more more of that sweet candy candy candy like bloody bloody bloody taste 満たされた満たされた 満ちてはいけないもの 絆された絆された 「今夜のお菓子はあなた」 満たされた満たされた おかしな悲鳴が響く 絆された絆された 私は次の次の次の… 満たされた満たされた 満ちてはいけないもの 絆された絆された 「次の宿主は私」 森深く 眠る家 甘い手招きにつられ 満たされて絆された 私が次の次の次の次の 魔女よ コメント 名前 コメント
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アサシンクリードは、アサシン教団とテンプル騎士団がその思想の違いから、古くから現在に至るまで続けてきた争いを描く物語であり、ゲーム本編は常に現代の人物がアニムスないしヘリックスを用い、過去の人物の記憶を追体験する、という構造になっている(スピンオフ作品を除く)。 しかし、ゲーム内のボリュームとしては過去編が圧倒的な量を占めており、現代編はあまり描かれていない。 現在、現代編はタイタンコミックスから出版されるコミック(下記一覧の Assassin s Creed Assassins 以降の作品)を中心に展開されている。 この中でもAssassin s Creed Assassins、Assassin s Creed Templars、Assassin s Creed FCBD 2016 Edition、Assassin s Creed Uprisingの4作品は、近作のゲーム内で描かれる現代編及びその登場人物とも特に関連性の高い作品である。 (なのでこの4作品から優先的に記事を作成します) 作品一覧 Assassin s Creed (comic) Assassin s Creed (web comic) Assassin s Creed (French comics) Assassin s Creed The Fall Assassin s Creed The Chain アサシンクリード4 ブラックフラッグ 覚醒(Assassin s Creed Awakening) Assassin s Creed Brahman]] Assassin s Creed Assassins Assassin s Creed Templars Assassin s Creed FCBD 2016 Edition Assassin s Creed Last Descendants - Locus Assassin s Creed Uprising Assassin s Creed Reflections Assassin s Creed Origins
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佐渡島方治&アサシン◆lkOcs49yLc ―幕末の世が過ぎ、明治の夜明けが到来してきた頃。 歴史の闇に葬られた、幕末の亡霊が動き始めた。 剣の腕、頭の切れ、他者を惹き付ける人望、彼はどれを取っても人より上を行っていた。 同時に、彼は幕府にとって危険視された存在でも有り、故に幕府によって存在もろとも焼かれた―はずだった。 弱肉強食、強ければ生き弱ければ死ぬ世を望んだ彼は、この京都を大火に沈めんと画策した。 だが、彼は変わろうとする時代には選ばれず、故に彼は焼かれた。 時代に焼かれ、時代を焼こうとした男の名は、志々雄真実と言った。 そして、その男の到来を待ち続けている、一人の男がいた。 ◆ ◆ ◆ ―この世に蔓延る13の魔族。 その魔族を次々と滅ぼしていった、一人の王がいた。 王には力があった。 万物を葬る闇の鎧。 魂を喰らう魔晶の剣。 竜の姿をした城。 そして、この世の誰よりも美しき伴侶。 この世の全てを我が物とした王は、殆どの魔族を絶滅に追い込んだ。 貴族たるファンガイア族の名を盤石の固きに置いた王の実績は、英雄の名に相応しい物だった。 しかし吸血王の退廃は、途轍もなく儚きものだった。 鎧も、城も、愛する伴侶さえも人間に奪われた哀れな王。 大半の魔族を絶滅に追い込んだ王の輝かしさなど、今の王には微塵も残されず、家畜との共存を望んだハーフの手で王は倒される。 しかし、その王の復活を望む、一人の男がいた。 ◆ ◆ ◆ 月が輝かしい夜。 静寂こそが相応しいその夜の公園の芝生に、数々の絶叫が鳴り響く。 「ああああああ!!」 「きゃあああああああ!!」 木々が生え芝生が敷かれ、多くの人々が寛いでいたその場所。 多くの笑顔が月夜の中で輝いていたそれは、一瞬で地獄絵図へと変貌を遂げてみせたのだ。 喘ぐ人々の首にあるは、二本の牙の如き物体。 牙に噛みつかれた人々の身体は、徐々に透明色に染まっていく。 まるで、魂を抜き取られているかのように。 色を失い、最早一片の生気も感じられなくなった人は、バタリと倒れる。 ある人が倒れ、またある人も倒れと。 色を失った人々は次々と倒れ行き、十秒後には、最早其処に生きている人など一人もいなかった。 皆々、色を失い芝生に倒れている。 しかし、ある木陰に、一人だけ色を残し立ち上がっている人がいた。 白いマフラーを首に巻き、眼鏡を掛けた男性。 その身は痩せ細ってはいるが、しかし眼はギラギラと光っている。 「足りぬ……足りぬ……」 男はボソボソと呟く。 飢えるように、菓子のお代わりを強請る子のように。 「まだだ……もっとだ……。」 男はそう呟くと、光の粒子となって消滅する。 1時間後に、警察や救急車がサイレンを鳴らしてやって来ることは、言うまでもない。 ◆ ◆ ◆ 早朝を迎えた、クリスタル・ヒルにある部屋。 其処に有る机で珈琲を飲む男がいた。 痩せ細った体型に彫りが深い顔を持った男は、その眼をギラつかせながらも、窓の外の景色を見つめている。 男の名は佐渡島方治。 日本に務める国会議員であり、今回はアメリカの視察に訪れていると言う。 それが、方治に与えられた「役割」だった。 「……やはり錆びた物だな、我が国も。」 しかし方治は、今いるロールに満足などしてはいない。 方治がいた時代といえば、明治維新が始まって幾年か立ったぐらいの頃だ。 その世において日本といえば、開国が始まった瞬間に欧米諸国の言いなりだった。 そして今も、それは変わっていない。 「やはり、あの方がいなければ……。」 方治は、一先ず明治から今に至るまでの150年間、日本がどうなったのかを調べてみた。 見てみれば、日本は欧米に影響を受け「富国強兵」の道を進んだという。 これは方治にとっても喜ばしい事だ。 法廷でぶちまけることこそ叶わなかった物の、結果的に自分が望んだ日本がやって来たのだから。 強ければ生き、弱ければ死ぬ。 日本も漸く、それが分かってきたということとなる。 だがしかし、日本は負け犬となった。 確かに日本は粘った。 国の誇りを掛けて戦った。 しかし力は及ばず燃え尽きてしまった。 (富国強兵……これを掲げた日本が何故負けた……) 答えは簡単だ。 ―弱かった。 強ければ生き弱ければ死ぬ、その摂理に従い、儚くも日本は食われる側へと堕ちていった。 その挙句の果てに日本は武器を捨て平和主義を謳っていると言う。 (だがもし、志々雄様が生きていれば……) もしも彼が、日の本の国を手にし。 この国を支配したとなれば。 他の国も全て焼けたのではないのか。 日本が、今方治のいるこの米国に敗れる未来も、無くなるのではないのかと。 十本刀、百識の方治の眼には、確かにそう映っている。 最早、現世に思い残すことなどなかった。 しかし、命を絶とうとした方治を引き留めたのが、何処かで手に入れたかも検討が付かぬ白紙の札。 これは寧ろ絶好の機会だ。 聖杯を手にし、志々雄真実を現世に舞い戻す絶好の機会。 それをむざむざ見逃す理由はない。 思い残すことなど無い。 ともなれば死ぬことなど覚悟の上。 ならば方治の向かう道は一つ。 (私は聖杯を手に入れる……そして志々雄様を蘇らせ……この国を最強の国へと作り変えてみせる!!) 改めてその想いを胸に宿した方治は、より一層顔を引き締める。 「只今戻りました、我がマスター。」 ふと、後ろから声が響く。 早口だが、しかしやや疲れているような声が。 「戻ったか。」 方治はそう答え、回転式の椅子を180度回転させ後ろを振り向く。 其処にいたのは、眼鏡を掛けた一人の痩せ細った男性だった。 彼こそが、方治の喚んだサーヴァント、アサシンである。 「ええ、昨夜も幾ばくかのライフエナジーを摂取しました。」 「そうか、ご苦労だ。」 アサシンの報告に、方治はウムと頷く。 方治が喚んだサーヴァント、アサシンは、人間が持つ「ライフエナジー」と呼ばれる生命エネルギーを貯蓄し、それを活用することに長けている。 故に、方治はアサシンには常日頃からNPCを襲わせる形で「魂喰い」を行わせ、魔力を貯蓄しているのだった。 既にアサシンを召喚して数日が立つ。 魔力は十分すぎる程に貯蓄されているが、使い道は有るのだろうか。 「念のために報告はしておくが、他のサーヴァントには発見されていないだろうな。」 「ご心配感謝いたします、今の所は発見されていませんご安心を。宝具は本戦において力を引き出しますので、貯蓄に関してはご安心を。」 アサシンの宝具。 それは、死んだ吸血鬼の亡霊を復活させ、使い魔として操ることだとか。 更に契約時に聞いた話によれば、その真価はその使い魔が「死んだ」時に発揮されるという。 死んだ使い魔の霊核は保存させることが可能で、数体の霊核を融合させることでより強大な使い魔を召喚することが可能、だということも聞いてはいる。 勿論、平時から派手に使うつもりはない。 使うのは本戦、闘うサーヴァントが減った時の話だ。 溜まった資金の切り方といえば、百識の方治の十八番、失敗するつもりは毛頭ない。 「そうか、引き続き魂喰いを続けてくれ。」 「畏まりました。」 方治の命令を聞き、アサシンは霊体化する。 ◆ ◆ ◆ (やれやれ、まさかこんな物が宝具になるとは。) アサシンのサーヴァント、チェックメイトフォーのビショップは笑う。 ビショップには、これという伝説的な武器はなかった。 例えばキングなら、キバの鎧やザンバットソードが宝具となりうるだろう。 しかしビショップには、そのような装備は与えられていなかった。 そんな彼に与えられた宝具とは、逸話系の宝具。 キングを蘇らせるために自ら行った儀式が宝具になるとは、座にいた時にビショップには想像もつかなかっただろう。 (しかし好都合な話です、これで計画は順調……) しかし、その御蔭でビショップは願いへとまた一歩近づくことが出来たのだ。 ビショップが聖杯に託す願い。 それは、嘗て13の魔族を怖れさせたあの英雄、2代目のキングの復活である。 あの時英雄は、人間と言う家畜の手で殺された。 しかし英雄の息子は、英雄に等成りきれなかった。 三代目が結ばれる定めとなったクイーン、それが全ての発端となり、チェックメイトフォーの秩序はグラグラと揺れ始めた。 彼女を殺害する形でそれを止めたは良いが、しかしキングはそれを許さなかった。 何故許さなかったのか、今でもビショップには理解に苦しむ一方だ。 ファンガイアが従うべきは、永久に続く血の証であるはずなのに。 何故私情で己を踏んだのか、理解に苦しむ。 結局、三代目は出来損ないの無能に過ぎなかった。 真のキングに相応しき存在は、やはりあの御方だった。 (ああ、お待ち下さい真のキング、今すぐに貴方様を蘇らせ、再びファンガイア族の誇りを築き直して差し上げます) 座から得た知識によると、儀式は失敗に終わりキングは暴走したと言う。 結果、無能のキングと紛い物のキングにより滅び去る運命に至り、貴族の血は人間に汚された。 次は失敗しない。 今度こそ、ファンガイアの秩序を作り直してみせると、吸血鬼の宰相は再び己が一族に誓った。 【クラス名】アサシン 【出典】仮面ライダーキバ 【性別】男 【真名】禁欲家と左足だけの靴下 【属性】秩序・悪 【パラメータ】筋力B 耐久B 敏捷A 魔力B 幸運D 宝具A+ 【クラス別スキル】 気配遮断:C 自らの気配を絶つ能力。 ただし、戦闘中は解除される。 【保有スキル】 吸魂:A 魔族が持つ「ライフエナジー」を吸うファンガイアの力。 空中に牙を発生させ、対象に噛みつかせてライフエナジーを吸収、魔力を回復する。 サーヴァントに対してもこれは有効である。 護法の宰相:A ファンガイアの在り方を護り続ける宰相(ビショップ)。 彼は秩序を尊重する人物だが、決して忠臣というわけではない。 王が王足り得ぬ器だった場合、彼が司る天秤は間違いなく傾くであろう。 属性が「混沌」の王と対峙した際に補正が掛かる他、「反骨の相」「単独行動」と同等の効果も併せ持っている。 三代目キングを見限り先代を蘇らせようとした逸話から。 変化:C 己の姿を「人間態」に変化させる。 ファンガイアは人間の姿に変化することで社会に溶け込んでいる。 この姿ではパラメータが隠蔽され、消費魔力は少なくなるが、パラメータは大幅に減少する。 戦闘続行:B 往生際が悪い。 ボロボロになっても尚先代キングを蘇らせようとした逸話から。 【宝具】 「死にゆく同胞達よ、その魂を汝が王に(サバト・フォー・マイキング)」 ランク:A+ 種別:対霊魂宝具 レンジ:50 最大捕捉:1000 アサシンが生前、死んだファンガイアの亡霊を解き放ち、そのライフエナジーを先代キングを復活させる糧に使用した逸話から。 地面からファンガイアの亡霊達を召喚する、ただし魔力はアサシンが負担するため、そう何体も召喚できるわけではない。 その上同じ真名のファンガイアは一度喚んだらそのファンガイアが死ぬまで召喚は出来なくなる。 復活したファンガイアに理性はなく、只ライフエナジーのみを求めて本能的に行動する。 一体一体がサーヴァントに勝てる見込みは無いが、それでも頭数が揃えば話は別である。 そしてこの宝具の最も恐ろしい所は、それらのファンガイアが死に、ライフエナジーのみが残った瞬間からである。 残ったライフエナジーは、融合させて「サバト」と呼ばれる対城宝具レベルの魔獣に変化させて暴れださせることが出来る。 更に、ある一定以上の膨大なライフエナジーを完全に使い切ることにより、「二代目キング」をサーヴァントとして召喚することが出来る。 二代目キングはセイバー、ライダー、アサシン、バーサーカーの適性を持ち合わせているが、復活時に魔力が足りなかった場合はバーサーカーとして現界する。 【Weapon】 「剣」 セイバーが己の身体から生成する剣。 相当な切れ味の持ち主。 「燐粉」 口から発射する粉。 敵に当たった瞬間爆裂し、対象にダメージを与える。 【人物背景】 人間のライフエナジーを糧とするファンガイア族の秩序を管理する「チェックメイトフォー」の「宰相(ビショップ)」に位置する人物。 「全てのファンガイアの在り方」を管理する天秤の如き存在で、管理する対象にはキングを初めとするチェックメイトフォーも含まれている。 冷静沈着で早口、秩序に固執し、その為なら手段を選ばぬ非道且つ狡猾な性格。 二代目キング亡き後は三代目の世話係をし、彼がキングの称号を受け継いだ後は補佐を担当する。 しかし三代目がクイーンとの恋愛関係で悩んでいることに気付き、それに何体もの同胞を殺した「黄金のキバ」が絡んでいる事に気づく。 「このままではチェックメイトフォーの在り方が崩れてしまう」と判断しクイーンを暗殺するが、それによりキングは激怒、しかし怒る理由にビショップは気づけなかった。 彼は王の器ではないと判断したビショップは、ライフエナジーを大量に集めることで先代キングを現世に復活させることを考える。 ビショップ本人は人間の戦士の手で殺されるも、結果的に策略は成功し、先代キングは現世に復活を遂げた。 【聖杯にかける願い】 先代キングを現世に復活させる。 【基本戦術・方針・運用方法】 頭脳労働派にして宝具が使い魔という、実質キャスターに近いサーヴァント。 一応、剣術と燐粉を使った卓越した戦術能力の持ち主であるが、彼は魂喰いを行うことで本領を発揮する。 普段はスキル「吸魂」でNPCのライフエナジーを吸い取り、魔力を集めることに専念しよう。 召喚したファンガイアは使い魔としても贄としてもサバトの材料としても活用できるので、何処でカードを切るべきかは慎重に考えよう。 因みに二代目キングを蘇らせることはアサシンが聖杯にかける願いでもあるので、恐らくは死の直前に使用する可能性が高い。 【マスター名】佐渡島方治 【出典】るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- 【性別】男 【参戦経緯】 拘置所で何らかの形(政府からの賄賂の封筒からか、或いは隣の囚人からか)で白紙のトランプを入手した。 【Weapon】 「ライフル」 方治がロールにおいて飾り物としていた旧式のライフル。 それは奇しくも、彼が嘗て所持していた物と同物だった。 【能力・技能】 その明晰な頭脳と政治力。 組織の財布持ちも担当しており、志々雄一派を戦艦一隻買える程の巨大な組織に変えたのは紛れも無く彼である。 ただ決して肉体労働が苦手なわけでもなく、銃撃戦においても人間離れした戦闘を見せつける。 【ロール】 海外視察に訪れている国会議員。 【人物背景】 幕末の亡霊、志々雄真実が擁する「十本刀」の一人で、「百識の方治」と言う二つ名を持っていた男。 元は明治政府の官僚だったが、腐敗したその内部事情に絶望し途方に暮れていた所を志々雄真実に拾われる。 その優れた手腕で志々雄一派の財政を支えており、甲鉄艦「煉獄」の購入に一役買うなど十本刀の中でも特に重要な存在の一人となった。 志々雄に「完全勝利」を齎すことを目的としており、彼と真っ向対立し、挙句親指以外の爪を全て引き千切ってでもそれを成し遂げようとする。 しかし方治が立てた作戦は緋村一行によって力押しで滅茶苦茶にされ、結局の所剣心と志々雄を対峙させるに至ってしまう。 その際志々雄の勝利を確信し愛用の銃を捨てるが、彼は業火の中に消え去る。 虚しくも方治は投獄され、挙句その手腕を買った政府に国家反逆罪を帳消しする代わりに戻ることを勧められる。 今回は、獄内で自決するよりも少し前からの参戦。 真面目で冷静沈着だが、一方で堅物であるためマイペースな人間には弱かったりする一面も。 志々雄に心酔しており、「今の日本が生き残る為には弱肉強食の考えを掲げる他ない、彼こそが国を率いるべき存在である」と考えている。 【聖杯にかける願い】 志々雄真実を復活させる。
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BOX購入特典 WORKING !!スペシャルパックから登場した、ブースターパック・スペシャルパックをBOX購入すると貰えるプロモカード。 サインカード同様、購買意欲を高めるために導入された。 2種類あるうちのどちらか1枚が封入されている。どちらが入っているかはランダム。 BOX購入しないと入手できないため、定価での入手にはブースターは約6500円、スペシャルパックでも約5000円とかなり高くつく。 直筆サインカード(ポイントシール300点)の応募に必要な金額よりは安いが、複数枚入手はかなりの出費となる。 2種類とも4枚集めようものなら、運が悪くて偏ってしまうと直筆サインの出費を超えてしまうこともあるので注意。 さらに初回生産限定である。後から入手しようにも既に絶版になっている可能性がある。 流石に問題になったのか、俺の妹がこんなに可愛いわけがない。スペシャルパックPart2以降は1種類だけになり、4枚集めやすくなった。 BOX購入特典カード一覧 WORKING !!スペシャルパック 《伊波 まひる(P009)》 《伊波 まひる&種島 ぽぷら(P010)》 とらドラ! 《櫛枝 実乃梨&逢坂 大河(P001)》 《川嶋 亜美(P002)》 映画けいおん!スペシャルパック 《中野 梓&平沢 唯(P030)》 《平沢 唯&中野 梓(P031)》 侵略!?イカ娘 《イカ娘(P010)》 《イカ娘(P011)》 夏色キセキ 《水越 紗季&逢沢 夏海(P001)》 《花木 優香&環 凛子(P002)》 偽物語 《阿良々木 月火(P007)》 《阿良々木 火憐(P008)》 ひだまりスケッチPart2 《ゆの&宮子(P010)》 《ヒロ&沙英(P011)》 俺の妹がこんなに可愛いわけがないスペシャルパック 《高坂 桐乃(P008)》 《高坂 桐乃(P009)》 AKB0048 《あっちゃん(P002)》 《ゆうこ(P003)》 生徒会の一存 Lv.2 《桜野 くりむ&紅葉 知弦(P002)》 《椎名 真冬&椎名 深夏(P003)》 初音ミク 《初音 ミク(P004)》 《初音 ミク(P005)》 ココロコネクト 《桐山 唯(P003)》 《永瀬 伊織(P004)》 ガールズ&パンツァー 《西住 みほ&秋山 優花里(P002)》 《武部 沙織&冷泉 麻子(P003)》 恋と選挙とチョコレート 《住吉 千里(P001)》 《東雲 皐月(P002)》 劇場版魔法少女まどか☆マギカ 《暁美 ほむら&鹿目 まどか(P014)》 《美樹 さやか&佐倉 杏子(P015)》 魔法使いの夜 《蒼崎 青子(P002)》 《久遠寺 有珠(P003)》 初音ミクPart2 《初音 ミク(P016)》 《初音 ミク(P017)》 ゆるゆり♪♪スペシャルパック 《吉川 ちなつ(P007)》 《歳納 京子(P008)》 さくら荘のペットな彼女 《椎名 ましろ&青山 七海(P001)》 《椎名 ましろ&上井草 美咲(P002)》 俺の妹がこんなに可愛いわけがない。スペシャルパックPart2 《高坂 桐乃(P012)》 俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 《春咲 千和&夏川 真涼(P001)》 ガールズ&パンツァースペシャルパック 《戦車道って楽しい!》 みなみけ 《南家三姉妹》 ひだまりスケッチ×ハニカムスペシャルパック 《ゆの(P014)》 アマガミSS+plus 《絢辻 詞(P001)》 ささみさん@がんばらない 《月読 鎖々美(P001)》 きんいろモザイク 《アリス・カータレット(P002)》 恋愛ラボ 《恋愛ラボメンバー》 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 《由比ヶ浜 結衣&雪ノ下 雪乃(P001)》 カードキャプターさくら 《木之本 桜&ケルベロス(P002)》 物語シリーズ セカンドシーズン 《戦場ヶ原 ひたぎ(P027)》 劇場版魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語 《暁美 ほむら(P021)》 咲-Saki-全国編 《原村 和&宮永 咲(P002)》 ハナヤマタ 《西御門 多美&関谷 なる(P002)》 関連項目 プロモカード 編集
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BEST BOX 発売日 1995年3月16日 発売元 キングレコード KICS-473/4 DISCA ■ 01. LONELY ■ 02. NIGHT CALL ■ 03. HYSTERIC ■ 04. DON T ASK ME! ■ 05. 華麗 ■ 06. REAL OF THE WORLD ■ 07. YOUR FACE ■ 08. PEOPLE PURPLE ■ 09. NO MORE TO SAY ■ 10. I 4 U ■ 11. For me ■ 12. Kiss me good-bye DISCB ■ 01. 少年の詩 ■ 02.CALLING ■ 03. I LOVE CAT ■ 04 .LOST ■ 05. CRACK EYE ■ 06. I LOVE YOU ■ 07. 憂鬱 ■ 08. PARADISE ■ 09. SUICIDE~想い出なんて~ ■ 10. ナニモイラナイ ■ 11. SLOW DOWN 戻る
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《真実》竹内多聞&アサシン ◆h8bq5JUznI 「――世界には数多の神話が存在する。 だが、それらは発祥の地を様々としながら多くの類似性を持っている。 暗闇からの天地創造。大災害による世界の破滅。そういった、ある種の普遍的イメージを。 より具体的な例を挙げるならば、ギリシャ神話のオルフェウスの冥府下りと、日本神話のイザナギ伝説……」 ミスカトニック大学。『民俗信仰と神話』の講義にて。 教壇に立つ黒のジャケットを着た日本人男性は、30代前半程度に見える。大学講師としてはやや若い。 その気難しげながらも精悍な目鼻立ちは、彼が確固たる精神の持ち主である事を感じさせた。 「――では、なぜそういった現象が起こるのか。『集合的無意識』などは有名だが……」 広い教室の座席は半分以上が埋まっている。彼の講義は人気が高い。 彼は優秀な民俗学者である一方、時としてオカルトじみた突飛な学説を提唱する学会の異端児でもあり、 参考書を読み上げるだけの退屈な講義に飽きた学生たちの、程よい刺激となっていた。 「――一部では、次のような説もある。 “我々の住む世界のどこかには、あらゆる事象を記憶した『根源』とでも言うべき概念が存在し、 人類はその『根源』から、その膨大な記憶の一端を、自己で認識しないうちに引き出しているのだ”……」 ◆ (消えたはずの村の次は、在るはずの無い街……そして『聖杯戦争』か) 講義を終えた男……竹内多聞は、自らに宛がわれた講師控室にて黙考に耽っていた。 腕時計を見る。次の担当講義までは、まだ三時間以上ある。 そして、懐から取り出した小さな物体を眺めた。それは、銀色の鍵。 持ち手には5本の直線で構成された、「生」という字を逆さにしたような、単純ながらも奇妙なデザインの紋様が刻まれている。 竹内はそれが何であるかを知っていた。 それは『マナ字架』と呼ばれる、日本のとある村に密かに伝わる民俗信仰の象徴だ。 彼はその村――『羽生蛇村』の出身であり、このミスカトニック大学が存在する街『アーカム』に“たどり着く”直前まで、『異界』と化した羽生蛇村を彷徨っていた。 竹内がこの鍵を見つけたのは、異界内の廃屋を探索していた時のことだ。 床に落ちていたそれは、この暗闇に閉ざされた血みどろの異世界には似つかわしくない、神秘的で美しい輝きを放っていた。 彼はその輝きに憑りつかれたように半ば無意識に鍵を拾い上げ、手近な閉ざされた扉の鍵穴へと差し込んだ。 ……そして、気が付いた時には聞き覚えの無い街、アーカムの住人となっており、いつしか『聖杯戦争』に巻き込まれたことを“思い出した”。 (……彼女は、無事だろうか) この街で記憶を取り戻してから、既に一週間以上が経過している。 竹内は異界に一人置いてきてしまった同行者……口やかましいが、どこか憎めない教え子の身を案じた。 彼女は逞しい。きっと大丈夫だ。彼はそう信じた。 気持ちを切り替え、再び意識を銀の鍵に……聖杯戦争に向ける。 参加者であるマスター達が使い魔たるサーヴァントと共に、最後の一組になるまで戦い合う。 そして、勝利した一組には聖杯が齎される。……『聖杯』。 これもまた、世界中の数々の伝説において名を残すアイテムだ。 『最後の晩餐』で用いられた聖遺物。 『アーサー王伝説』では、騎士が探し求める宝物としても登場する。 ……そしてこの戦いにおいては、優勝者のあらゆる願いを実現する願望機。 ――こうした神聖にして華やかなる逸話の数々に彩られた杯の、存在の『根源』とは何か? 竹内の脳裏に、ふとそんな疑問がよぎる。 根拠のない、漠然とした予感のようなものだが、彼はこの戦いの裏側に何らかの名状しがたい真「ドーモ」 「……ッ!?」 竹内の思考は、突如目の前に出現した異常存在によって中断した。 跳ねるように椅子から立ち上がり、身構える。 異形の屍人が蔓延る異界での経験が、彼の警戒心を高めていた。 ……だが彼はその存在を改めて認識すると、脱力したように椅子に座りこむ。 現れたのは敵ではない。己の使い魔だ。 「……あまり驚かせないでくれ」 「これは、シツレイ。ただアイサツをしただけなのだが。フフ」 サーヴァント……アサシンがひどく虚ろな声を返す。彼の外見は異様だった。 忍者を彷彿とさせる和装束。(実際、彼はニンジャである) ぎょろりと見開かれた血走った眼。 最も目を引くのは、襟巻のように幾重にも首に巻かれた、得体の知れない液体で満たされたガラス製の太いシリンダー。 シリンダーから伸びたチューブが両こめかみに直結され、彼の頭部に点滴めいて液体が注入されているのが分かる。 既に何度か顔を合わせているため大きなショックは無いが、それにしても 「……それにしても、不気味だ。サーヴァントとは皆“こう”なのか?」 心に浮かんだ言葉が、そのままついて出た。 「ブキミとは。サーヴァントは聖杯の加護をうけた偉大なる英霊だ。何をおそれることがある?マスター。 ……ああ、そうか。そうだ。おれは英霊の中でも特別だからな。なにしろとても大切なものを手に入れたのだ。 それは、素晴らしくもおそろしいもの……難儀な事だ……。ウフフ……」 アサシンはそれに対し怒りを見せることもなく、うわ言めいてぶつぶつと呟き、笑った。 このサーヴァントは正気を失っている。彼の発言の大部分は、竹内にとって……否、多くの人間にとって理解し難いものだ。 「……ところで、何か思案をしていたようだが。マスター」 「……ああ。この戦い、聖杯戦争について考えていた」 「ほう。それは、それは」 しかしながら、この精神をゆがめた使い魔が自分に従順であることは、竹内にとっては幸運だった。 「――やはり、ただの願望を賭けた殺し合いとは思えない。……私はこの戦いの真実に迫りたい」 それは、学者としての探究心か。 あるいは、『消えた村』羽生蛇村での異変と、この『存在しない街』アーカムでの戦いに、デジャヴめいたものを感じたからか。 いずれにせよ、彼はこの戦いの『根源』に近付くことに決めた。 「そのためには、君の協力も必要になるだろうが……」 「“真実に迫る”。フフ、なんと荘厳ながらも虚しきコトダマ。 真実は何処にでも在るのだ。マスター。此処にもあるぞ。あなたには見えていないのか」 アサシンの言葉は支離滅裂で、本能的な不安感を喚起させる。 まともに取り合えば、こちらの精神が呑まれてしまいそうだった。 「……まあ、よい。あなたの意思に従おう、真実の探索者たるマスターよ。探索者を導くのも銀鍵の守護者の使命ゆえに。 探索の果てに、きっとあなたにも真実が見えることだろう。おれが手に入れたように……真実が……ウフフ……」 アサシンはマスターの行動指針を彼なりに了承したようで、そのまま不気味な笑い声を残して霊体化した。 ◇ 竹内は深く息をつく。 そこには、あの壊れた使い魔が自分の考えに理解を示した安堵。 そして、これから彼と長く付き合っていかなればならないことへの気の重さが込められていた。 (“真実が見えていないのか”……か。そうだ、私にはまだ何も見えていない) アサシンの言葉を反芻する。 彼は異界と化した羽生蛇村にて、その異変の真相に近づく間もなくこのアーカムへと導かれてしまった。 (……この戦いの中で、探し出さなくてはならない) それにしても、疲れた。竹内は伸びをする。 アサシンと話していたのはほんの数分程だったが、心身共に相当な疲労感がある。……まるで、数時間は話し込んだような……。 腕時計を見る。……針は、次の講義まであと5分のところを指していた。 顔を上げ、壁にかかった時計を見た。同じ時間を指している。故障ではない。 「どうなっている……」 自分の感覚がおかしくなったのか? ……或いは、アサシンの不可思議な力によるものか? 考えている時間はない。 竹内は手早く講義の準備を済ませると、急ぎ足で控室を出て行った。 人が消え静まり返った部屋に、アサシンが姿を現す。 「このようにすれば、あなたに真実を見せるのはとても簡単なのだ。 しかし、やりすぎるとあなたの心臓にスリケンが刺さって死んでしまう。 そうなればおれも死ぬ。真実も消えてしまう。だからできないのだ。実に悩ましいことだ。ははは」 アサシンが消える。 部屋は再び静寂に包まれる。 ◆ 【クラス】 アサシン 【真名】 メンタリスト@ニンジャスレイヤー 【属性】 混沌・悪 【パラメーター】 筋力C 耐久D 敏捷C 魔力C 幸運B 宝具B++ 【クラススキル】 気配遮断:B サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 完全に気配を絶てばサーヴァントでも発見することは難しい。 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 【保有スキル】 精神汚染:A+ 精神が錯乱している。精神干渉をほぼ完全にシャットアウトする。 また、彼の言動を受け止め、理解しようとすれば、同様に精神を汚染される可能性がある。 超自然空間に住まう怪物に襲われ、彼の自我は破壊された。 マスターには従順だが、「真実を手に入れた」などと嘯く彼の言葉の意味を知る者は誰もいない。 情報抹消(偽):C 自身のユニーク・ジツの能力による疑似的な情報抹消スキル。 ゲン・ジツの支配下にある相手からの離脱に成功した場合、相手の記憶からはアサシンの真名、外見、能力の詳細などの、戦闘中に認識したアサシンに関する情報が消失する。 相手の時間感覚は狂い、「何者かと戦っていた」という漠然とした記憶だけが残る。 話術:D+ 言葉によって人の心を惑わす技術。 宝具『幻実』『真実』使用時に有利な判定を得られる。 また、高ランクの精神汚染スキルとの併用によって、言動の一つ一つに僅かな精神ダメージを付加することができる。 精神耐性及び精神汚染スキルによって効果の軽減、無効化が可能。 【宝具】 『無銘』(グレーター・ダマシ・ソウル) ランク:D+ 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大捕捉:- メンタリストに憑依するいにしえの半神的カラテ戦士、『ニンジャ』の魂である『ニンジャソウル』。 彼のニンジャとしての超人的な身体能力とカラテ、ユニーク・ジツ(特殊能力)はこの宝具に依るもの。 ダマシ・ニンジャクランに所属する、個としての名を持たないグレーター(中位)ソウルであるが、そのジツの力は強大である。 また、メンタリストを『ニンジャである』と認識した者に対し、正気度減少判定を発生させる。 ニンジャなど存在しない。しかし実際に目の前に存在する。その認識的矛盾が、ニンジャ・リアリティ・ショックを引き起こす。 『幻実』(ゲン・ジツ) ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:20 メンタリストのユニーク・ジツ。 自身の周囲に不可視の力場を発生させ、範囲内の標的の精神を支配。認識を書き換え、狂わせる能力。 このジツに取り込まれた者は、自在に姿を消しては出現するメンタリストを捉える事ができず、全身に不可思議なイマジナリースリケンを“埋め込まれる”ことになる。 力場発生の前兆現象として、現実と明らかに矛盾する、しかし虚実の判別が曖昧な幻覚オブジェクト(光るタケノコなど)が周囲に出現する。 故に標的がそのオブジェクトを『異常』と認識することで力場発生がキャンセルされてしまう、という弱点がある。 また、「即座にオブジェクトを認識、破壊し、間髪入れず術者自身にも激しい攻撃を仕掛け畳みかける」という隠された攻略法も存在する。 しかし初見で看破するのは困難な上に、オブジェクトの物量、メンタリスト自身の話術とカラテの高さがそれらを補っている。 精神に作用する特性を持ちながら、物理的にも強い影響力を持つため、精神耐性系のスキルではこの宝具を完全に防ぐことはできない。 対抗にはむしろ直感と格闘能力……即ちカラテが重要となる。 『真実』(ゲン・ジツ) ランク:B++ 種別:対人宝具 レンジ:1?~20? 最大捕捉:20? メンタリストが自我の喪失後に習得した、強化されたユニーク・ジツ。 力場によって範囲内の標的の精神を支配する、という部分は『幻実』と全く同様だが、力場発生に伴う幻が大きく変質している。 もはや名状し難いほどに“非現実的”でありながら、どこまでも“現実的”な幻覚を引き起こし、相手を侵蝕する。 その特異性ゆえに魔力消費は大きい。 【weapon】 イマジナリースリケン メンタリストが用いる投擲武器。不可思議な虹色の光彩を持つ。 ゲン・ジツの影響下にある力場において、彼はこれを標的の体内に“生やす”或いは“埋め込む”ように出現させることができる。 即座にオブジェクトを破壊されるとスリケンも消失し、ダメージは半減する。 ステルス装束 ステルス機構を搭載したニンジャ装束。 【サーヴァントとしての願い】 聖杯を手にすることがあれば、自分の見た真実を全てのものに伝播させる。 【方針】 マスターを真実に導く。 【人物背景】 メンタリストはザイバツ・シャドーギルドの恐るべき執行者ニンジャだったが、戦いの中で真実に辿り着く。 しかし彼は無惨にも爆発四散し、彼が得た真実は永遠に失われた。 【マスター】 竹内多聞@SIREN 【マスターとしての願い】 聖杯戦争の真実を探る。 聖杯を手にすることがあれば、『異界』に取り込まれた者たちを救出する。 【能力・技能】 民俗学者としての知識、洞察力。また、高い霊感を持つ。 赤い水 異界に流れる『赤い水』を取り込み、その体は不死の存在『屍人(しびと)』に近付いている。 本来ならば異界にて赤い水を体に入れた者は二度と現世へは帰れず、いつか屍人となる運命だが、神秘の遺物である“鍵”によって例外的に脱出を果たした。 異界からの隔絶、加えて取り込んだ赤い水がまだ少量であったことから、アーカム移動後現在、彼の屍人化の進行は極浅い段階でほぼ停滞している。 故にその不死性も完全ではなく、常人より少し高い生命力と再生力を持つのみ。死亡しても屍人として蘇生することはない。 幻視 「視界ジャック」とも呼ばれる、赤い水を取り込んだ者が得る超能力。 自身の半径約数十メートルに存在する者の視覚と聴覚を覗き見ることが出来る。 サーヴァントに対しても効果を発揮するが、精神耐性系スキルにて遮断が可能。 【weapon】 38口径短銃 竹内が異界へと持ち込んでいたリボルバー拳銃。弾薬は十数発。 【人物背景】 竹内 多聞(たけうち たもん)。 城聖大学に勤務する民俗学講師。34歳。 羽生蛇(はにゅうだ)村の出身で、27年前に村で起こった土砂災害で両親を亡くしている。 その後、(無理やり付いてきた)助手の安野依子と共に調査のため27年振りに村を訪れた折、異変に巻き込まれる。 参戦時期は「初日:02時~12時」のどこか。 【方針】 ともかく、この戦いに関する情報を集めたい。 BACK NEXT Assassin02 《怒り》マスク&アサシン 投下順 Berserker01 《生物学》Dr.ネクロ&バーサーカー Assassin02 《怒り》マスク&アサシン 時系列順 Berserker01 《生物学》Dr.ネクロ&バーサーカー BACK 登場キャラ NEXT 竹内多聞&アサシン(メンタリスト) OP 運命の呼び声~Call of Fate~
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デリバリー田楽 (C)SEGA +... 、 `ミzzzzz、 `ー‐、 ヽ 八 Ⅵ いつもニコニコ / i .`/ あなたの背後に ,イ ノ,.、{ 這い寄る弾薬箱 ,ィ´{i´彡/i i ト、 人ヽ乂_/i i i人{ 食糧も武器も現地調達のスネーク気質なボンバーマンに好評な田楽BOXがデリバリーサービスを開始することになった。 「弾薬拾われないので勲章取れない」「むしろ投げつけられろ」「踏めっ… 踏めっ…」等、古くから 要望されてきた(今の今まで対応されてこなかった)機能がついに実現。 投擲すると波紋を出しながら設置される。 この波紋の中に、主武器か副武器の弾数 弾数の最大値となっている「敵か味方か自身」が入ると田楽箱がその機体のところまで高速で配達される。 配達速度はまさしく最速。フル焔生ACだろうがカタパだろうが追いつく。 むしろこの追尾性を浮遊機雷に搭載したらいいんじゃ また、マインV等と同じく遠投が可能で、補給が必要となる最前線に手を煩わせずに投下できる。 あまりのかわいしさに四本足のペット化されそうになったのだが、その簡易AAは…… ┌[┌弾]┐アモォ…… ガチムチのツーマンセルが射程に入ると接近速度が5倍程度になるとかならないとか。 弾薬を味方に配達するアパム屋さんプレイにうってつけ。時々敵にも配達しちゃうのはご愛嬌。 しかし、こいつを買うのに弾薬補給/銅を3個要求するというジレンマ。 でもユニオンレベル10でもオッケーなので、多くの人はそっちの条件をクリアさせて買うだろう。 広い反応距離を手に入れた代償は重量20の増加とリロード0.5秒のみ。 弾薬の補給量は変わらないので、購入さえできれば旧式を使う意味は薄い。 だだし、味方だけでなく上記の通り敵が近づいても補給されてしまう為、悪用されやすくなる点には注意が必要。 下手に乱戦中のプラに投げ込むと敵に弁当箱全部取られたなんていう笑えない冗談が起きてしまう。 田楽BOX系統 田楽BOX← デリバリー田楽 → スタナーJ